腱鞘炎・バネ指

腱鞘炎・バネ指とは?

 指の付け根で、屈筋腱と靱帯性腱鞘の間で炎症が起こると、「腱鞘炎」になり、腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなります。指の付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。 朝方に症状が強く、日中は使っていると症状が軽減することも少なくありません。 進行するとバネ現象が生じて「ばね指」となり、さらに悪化すると指が動かない状態になります。

原因と病態

 更年期の女性に多く、妊娠出産期の女性にも多く生じます。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのも特徴です。糖尿病、リウマチ、透析患者にもよく発生します。母指(親指)、中指に多く、環指、小指、示指にもよくみられます。

 指の使いすぎによる負荷のため、動かすたびに摩擦のために炎症が進み、腱鞘が肥厚したり、腱が肥大し、通過障害を起こすために一層症状が悪化します。

一般的な治療

 保存的療法としては、局所の安静(シーネ固定も含む)や投薬、腱鞘内ステロイド注射(特にトリアムシノロンは有効)などがあります。

 改善しないときや再発を繰り返す場合は、腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)を行います。切開するのは腱鞘の一部だけです。小さな傷で済みます。