ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰は、重いものを持ち上げたときや、腰を捻ったときに起きる、腰の状態の総称であり、病名は「急性腰痛症」や「腰椎捻挫」となります。ぎっくり腰の中には、腰椎椎間板ヘルニアや圧迫骨折、腰椎椎間関節症等を起こしていることもあり、何度も繰り返す場合は整形外科を受診する必要があります。
原因と病態
重いものを持ち上げたときや腰を捻ったとき、咳をした際に、激痛とともに体を動かすことが困難になります。通常は前屈みの姿勢をとると楽になるものの、立っているほうが楽なことも多く、体勢をかえることができません。日常生活制限を要する腰痛は、数日間から数週間で改善しますが、軽い腰痛は長期間持続することがあり、数カ月間持続する場合も多く認められます。
腰部を構成している腰椎・椎間板・筋肉・靭帯のいずれかに負担がかかり損傷します。中腰姿勢をとるだけで、体重の1.5倍もの負荷が腰にかかることが知られております。腰周囲の筋肉が物を持つ用意ができていないのに、さらに急激な力がかかることにより、各組織が破綻します。腰の骨をつないでいる前方の椎間板を支える靭帯や、後方の椎間関節が傷害されると、腰を反らすことが困難になります。
一般的な治療
ぎっくり腰の原因が椎間板ヘルニアや圧迫骨折などと判明すれば、それに応じた治療を行うことができるのですが、痛み始めは原因が分からないことも多いといわれており、まず痛みを軽くする方法が取られます。
アイシング、消炎鎮痛剤の使用、腰部に痛み止めであるブロック注射を打つ、コルセットを巻く、温熱療法等を行うことで、まず痛みを少しでも軽減させる処置をします。この痛みを軽減したのち、原因を探し治療を開始することもありますが、痛みが軽くなり治まるようであれば、そのまま経過を観察することもあります。
急性期のぎっくり腰の治療には、アイシングが有用であり、アイシングは疼痛を和らげ、疼痛・浮腫などの拡大を防ぎます。湿布は表面の冷却効果が少なく、逆に皮膚温を上げることがあるので氷水で冷やすことが必要です。
また、腰の一時的な痛みの緩和に対し、消炎鎮痛剤が効果的であるとされています。薬物療法については急性腰痛の診療ガイドラインでも、消炎鎮痛剤のNSAIDsは、腰痛を軽減させる効果があるといわれてます。