頭痛

頭痛とは?

 頭痛と一言で言っても、その症状や原因はさまざまです。頭が重い感じがしたり、ズキンズキンと刺すような痛みがあったりします。また、女性の頭痛、子どもの頭痛、高齢者の頭痛など。 頭痛には、くも膜下出血や脳腫瘍、緑内障などの病気が原因となり症状として頭痛が起こる「症候性頭痛」と、頭痛それ自体が病気である「慢性頭痛(機能性頭痛)」があります。慢性頭痛には、頭の血管の過度の拡張が原因となる「片頭痛」,筋肉のこりが原因の「緊張型頭痛」、「群発頭痛」がありますが、医師の治療が必要な場合がございますので、まずは専門医へご相談ください。

原因と病態

片頭痛

 頭部の血管が拡がり、炎症を起こして痛みが起こる頭痛です。しかし、その誘因は人それぞれ。主にストレスやホルモンバランスの乱れ、アルコールや食品などがきっかけとなることが多いと言われています。血管が拡がって炎症を起こすと、そのまわりの神経が刺激を受けて痛みが現れます。
左右どちらかのこめかみが(両側のこともある)ズキンズキンと脈とともに痛み、月数回、発作的に起こり、時には吐き気を伴うこともあります。女性に多く、親が片頭痛持ちだと、子供も片頭痛を起こしやすいと言われています。

緊張型頭痛

 緊張型頭痛は筋肉から痛みが発せられる頭痛です。頭から首、肩にかけての筋肉が緊張し、血流が悪くなると疲労物質が筋肉にたまり、神経を刺激して痛みが起こります。筋肉の緊張は、長時間同じ姿勢をとり続けたり、心配や不安などの精神的なストレスが原因で起こりやすくなります。一度頭痛が起こると、痛みによって筋肉のこりや血流の悪さがますます増幅され、頭痛がひどくなっていつまでも続く、という悪循環に陥ることがあるようです。

重苦しく、頭を締め付けられる感じがする頭痛で、肩や首の筋肉の緊張によって頭が痛みます。肩こり人口が多い日本人にはもっとも起こりやすいタイプの頭痛といえます。重苦しい痛みがいつからともなく始まり、連日ダラダラと続く頭痛です。

群発頭痛

 残念ながらはっきり原因が分かっていません。ただ発作中は目の後ろあたりにある太い血管(内頸動脈)が腫れ、その血管により周りにある神経が刺激されて、激痛が起こると言われています。痛みと同時に充血や鼻水、発汗などの症状が現れるのは、自律神経の刺激によるものです。

頭痛がある期間、毎日のように、片目のあたりに起こり、たまらない痛さです。片頭痛が女性に多いのに対して、男性に多いのも特徴です。  片頭痛や緊張型頭痛に比べて患者数も少なく、一般にはあまり知られていない頭痛ですが、痛みの強さは桁ちがい。「群発期」と呼ばれる頭痛発作が起こる時期は2年に1回から毎年1~2回という人が多いようです。

一般的な治療

片頭痛

 頭痛発作がおこった時に、なるべく早く頭痛を鎮めるための治療法を急性期治療(頓挫療法)といいます。もうひとつは、頭痛がない日もあらかじめ毎日お薬を飲んで頭痛発作を起こりにくくし、また、頭痛発作が起こっても軽くすむようにするための予防療法です。
発作回数が月に数回以内で、片頭痛発作による生活への悪影響があまりなければ急性期治療を中心にします。発作回数が多い場合や、生活への影響が強ければ急性期治療と予防療法を組み合わせて治療をします。

緊張型頭痛

 反復発作性緊張型頭痛には鎮痛剤が有効です。鎮痛剤の使用が月に数回程度の方は通常、予防薬の必要はありません。頓用薬として、筋弛緩作用を合わせ持つ抗不安薬を鎮痛剤と併用するとよいこともあります。  慢性緊張型頭痛では予防的に抗不安薬や抗うつ剤が用いられています。筋弛緩剤の併用が有効な例もあります。緊張型頭痛における抗不安薬使用に関しては賛否両論あるのですが、いずれにしても長期連用はさけるべきとされています。

 痛みに対する直接的な治療とは別に、頭痛の原因となる精神的なストレスを軽減する方法をとることもあります。首や肩の筋肉の緊張をほぐす効果のある筋弛緩薬や、不安を取り除くための三環系抗うつ剤、抗不安薬などが処方されます。 また、漢方薬による体質改善や、温熱療法電気療法牽引療法といった首や肩の筋肉の緊張へ働きかける物理療法、緊張した筋肉や関節に直接アプローチする手技療法、鍼灸、バイオフィードバック(認知行動療法)といったさまざまな治療法があります。

群発頭痛

 有病率は0.07~0.09%と稀な病気です。治療は頓服薬(トリプタン製剤)、酸素吸入。慢性化した重症例では予防薬を投与することがあります。

※それぞれの病態により治療が異なりますので、まずは専門家にご相談下さい。